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スペンサー ダイアナの決意 [英国]

前回ご紹介した英国映画は、故ダイアナ妃のドキュメンタリーでした。
今回は、同じくダイアナ妃が主人公ですが、エリザベス女王の別邸
サンドリンガムで過ごしたあるクリスマスの3日間を描いた作品
「スペンサー ダイアナの決意」
その3日間での、ダイアナの心の揺れ、ある決心を描いたものですが、
特別な大事件が起こるわけではありません。

ロイヤルファミリーの儀式的なクリスマスで、ダイアナはほぼ笑顔がありません。
チャールズ皇太子との仲はすでに(浮気発覚で)冷え切り、
クリスマスもダイアナが望むような温かいアットホームなものでも
なく、ダイアナは好きではないハンティングに息子たちは連れ出されている。
エリザベス女王とも、距離感のある関係で、分かり合えそうもない。
そういった積み重ねが、じわじわと見ている者にも重い感情を抱かせます。
ダイアナの心の叫びを聞くのです。

「ここは私のいる場所ではない」と。

20歳で華やかなロイヤルウエディングを行ったダイアナですが、
厳しい現実にさらされ、王室との離別は息子たちとの別れになるわけで、
我慢に我慢を続けた辛さが拒食症を引き起こすなど、後に周知のことと
なりましたが、映画で描かれた時期はまだ最終決定を下すタイミング
ではなかったと思います。
ブログスペンサーIMG_2376.jpg

このダイアナの様子を、クリステン・スチュワートは少ないセリフで
見事に体現していると思います。また、豪華なドレスの時でも、
カジュアルな服装でも、そのしぐさやまなざしは実際のダイアナと
二重写しになってくる感覚です。
「トワイライト」シリーズや「チャーリーズ・エンジェル」に
比べると、同じ俳優とは思えない変貌ぶりです。
ぜひその素晴らしい演技を見てほしいです。

監督はチリ人のパブロ・ラライン、クリスティンはアメリカ人、
メイキャップは日本人の吉原若葉さん、撮影はスペインのお城と
国際色豊かですが、英国色が色濃く出たらしいビジュアルには驚かされます。

英国人俳優ももちろん出演していて、侍従やくのてぃもしー・スポール、
チャールズ皇太子役のジャック・ファーシング、ダイアナの
サンドリンガムでの唯一の心許せる衣装係にサリー・ホーキンス。
そして音楽はレディオヘッドのジョニー・グリーンウッド。

公開は10月14日です。
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エリザベス 女王陛下の微笑み [英国]

寒暖差が激しくて、ぐったりしますね。
昨日は20度くらいで、明日は30度になるかといわれている東京。
2019年を最後に行けていない英国は、今爽やかな夏真っ最中とか。
行きたくて仕方ないです。

さて、エリザベス女王のクイーン・ジュビリーを見た人は多いでしょう。
私もパレードはYoutubeで後追いで見ました。女王はパレードには出ず、
英語ですらほとんど解説がありませんでしたが。
でも、テラスにはお出ましで、お痩せになったようですが安心しました。

別に撮影されたくまのパディントンとの共演は楽しく見ました。
https://www.youtube.com/watch?v=7UfiCa244XE
パディントン2のDVD発売時に、封入するリーフレットに
原稿を書いたので、ちょっとうれしくなりました。

ミニ知識として、あの黒く高い帽子は熊毛でできています。
被ると重く、暑いのです。過去にパレード中に倒れた衛兵もいたと聞きます。
以前、英国の地方都市の軍隊パレードを見た時、熱中症で倒れる兵士を
見たことがあるので、微妙な季節の軍隊パレードは気になります。
また、格好の良い騎兵のブーツは膝と足首を曲げるのが困難な硬さだそうです。
おりて歩く前提ではなく、実戦用でない礼服ならでは、なのかもしれません。

そして、いよいよエリザベス女王の長編ドキュメンタリー映画
「エリザベス 女王陛下の微笑み」が公開です。
英国史上最長、最高齢の女王の姿をたっぷり見ることができます。
私が特に好きだったのは、乗馬と競馬を見るシーン。
本当に馬がお好きで、お上手。競馬場では客席でエキサイトする
姿も微笑ましいです。ファッションもたっぷり見ることが出来ます。
IMG_1870.jpg
楽しいことも、困難なことも乗り越えた70年には重みを感じます。
内容はトピックごとに分かれており、時代の流れもわかるので、
あっというまに終わってしまう気がしました。

私は昔「トゥルーピング・カラーズ」という、女王のお誕生日を祝う
パレードは生で見ました。今回のものほどは大掛かりではなかった
ですが、ロイヤルファミリーの乗った馬車が通り過ぎるのは一瞬でした。
ちなみに、目的はロイヤルファミリーではなく、軍隊の礼服の取材でした
(英国男子制服コレクションに掲載)。
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自粛と映画 [英国]

日本でも、海外でもいまだにコロナの影響は大きいですね。
仕事の打ち合わせに、Zoomを使ったのは初めてでした。仕事の内容上、
やはり若干のやりにくさを感じました。

海外渡航も限定&制限があり、難しい状況です。
例年、6月には渡英予定があり、そのために年始からいろいろ調整を
するのですが、今年はGWあたりに新刊発売予定があり、
渡英予定は保留していたのですが、出版自体もずれこみ、
英国行きは年内ですら困難になり、楽しみにしていた
英国のニュー・アドベンチャーズによる
マシュー・ボーン版『赤い靴』来日公演もキャンセルになりました。

映画館も日本国内ごくわずかしかオープンしておらず、
劇場公開の新作がいつみられるのかわかりません。

実は来週からキーラ・ナイトレイ主演の
『オフィシャル・シークレット』という英国映画が公開予定でした。
イラク戦争開戦前、英国の諜報機関で驚くべき情報を
知ってしまった女性の勇気と行動の実話の映画化です。
詳細は下記の公式HPにありますが、実話だということ、
出演がキーラのほか、レイフ・ファインズ、ドクター・フーの
マット・スミス、ダウントン・アビーのマシュー・グードなど、
英国映画・ドラマファンには見逃せない出演陣です。
6月には公開されることを願ってやみません。
http://officialsecret-movie.com/

また、英国映画はミニシアターなどでかかる場合も多く、
配給会社も小規模なところが結構あります。

そういう意味でも、以下の団体を応援しています。
もしブログ読者の方で興味を持たれたら、とりあえず下記サイトを
覗いてみてください。私も応援しています。
良心的な規模の公開規模小さな作品を、やはり映画館で見たいし、
配給会社に頑張ってもらわないと、ハリウッド大作ばかりに
なってしまうのは寂しいからです。

ミニシアター・エイド
http://chng.it/Wwz7L27RQn

Help! The 映画配給会社プロジェクト
https://note.com/help_the_dsbtrs

最後に、私の自粛期間中の楽しみは、
自転車で行ける英国菓子のお店で
買ってきたケーキでのティータイムです。
とはいえ、事前予約して火曜日にしか受け取れません。
写真は、ヴィクトリア・スポンジという
英国ではスタンダードで一般的なケーキです。
ティーカップは、Ikumi Hirumaさんという方の作品です。
IMG_6245.jpg
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英国が舞台のコミック [英国]

昔は良くコミックを読んだものですが、
ここ10年以上、ものすごく限られたものしか読まなくなってしまいました。
そんな中、楽しみにしているのが
もとなおこ先生のコミック。

もと先生の英国を舞台にした作品は、私の作っている本と
リンクするものがあるからです。
パブリック・スクールやヴィクトリア時代など。

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もと先生の最新刊が『天使がのぞきみ 英国貴族と領民たちのひみつ』です。
最新刊は3巻なので、さかのぼって1巻から読むことをおすすめします。
英国の貴族とその領民たちの暮らしや恋愛、そして事件が描かれるのですが、
19世紀の終わりごろの英国文化をしっかり咀嚼して、
愛すべき物語を綴っているのです。
ご存知の方は多いかと思いますが、まだの方はご一読を。
パブリック・スクールが舞台の『ガーフレット寮の羊たち』
時空を超越してアンというヒロインが活躍する『アンと教授の歴史時計』
もおススメです。

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Presidentとパブリック・スクール [英国]

先日、最新刊『英国パブリック・スクールへようこそ!』の内容を
一部抜粋、再編集した記事がビジネス誌プレジデントのオンライン・ページに
掲載されました。
さすがにビジネス誌なので、視点は英国のパブリック・スクールに入る生徒に
まつわる経済的な部分や教育内容に絞ったものとなりました。

学費は年500万「英国の超名門校」の価値(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181022-00026471-president-soci

実際最近アジアから英国のパブリック・スクールに入学する生徒は増えて
いるようです。しかも、学業・芸術の面で優れた結果を出す生徒も少なくありません。
英国生まれでない生徒たちは、語学の面でかなり頑張って入学してきますし、
親の経済力も反映されるのですが、名門校に進学するとそれに値する結果も
ついてくるのです。もちろんすべての生徒がというわけではないですが。

私が本の取材のために、かなり多くの情報を提供してくださった
パブリック・スクール生の親御さん(その生徒さんは見事にオックスフォード
大学に入学!)からも、アジアの生徒がかなり頑張っている話は聞きました。
また、英国に限らず、アメリカやスイスなどの名門校へお子さんを送り出す
親御さんは増えているようです。有名人のご子息なども。

個人的には、世界のグローバル化で経済的にゆるされれば、
学校選びの幅はより広がっていく気がします。

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Winchester College



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