マトリックス？修道士？

★『英国男子制服コレクション』（新紀元社）発売中！

私が英国男子の制服に興味を持ったのは、イートンの燕尾服に惹かれたからです。
が、「取材してみたい！」と強く思ったのは、クライスツ・ホスピタルという学校の制服。
この学校のことは、WOWOWでオンエアされていた『ジーン・シモンズのロックスクール』
というリアリティ番組がきっかけで知りました。

KISSというハードロックバンドのリーダー、ジーン・シモンズがクラシックとブラスバンドに
力を入れている英国の寄宿学校に乗り込んできて、ロックに興味のない学生たちを
ロッカーにする！という番組でした。
番組については別の機会に説明するとして、とにかく私の目を惹きつけたのは、
学生たちの制服でした。



マトリックスのネオみたいに黒っぽい、くるぶし丈の上着。
でもこれはファッションではなくて、４５０年以上続く伝統の制服でした。
そう。どちらかというと修道士の服のよう。
煉瓦造りの、英国らしい建物の学校に彼らの姿が見えるとき、ちょっと
タイムスリップしたような気分にもなります。
印象的なのは、その上着からちらちら覗く黄色いソックス。ハンカチをたたんだような
白いタイ。これが、今のイギリスのティーンエイジャーが着ているというのが面白いと
同時に、それを着ているとなんだか特別な人のように思えてくるのです。





日本の今の高校生は制服を着崩して個性を出しているけれど、
この昔ながらの同じ制服を着ているほうが、なぜか一人一人が特別に思える不思議。
この制服には、いろいろエピソードがあり、それも取材して面白かったです。
詳細は、本で。

＊英国の人、モノをモチーフにした、松本里美さんの個展が
８月２７日から新宿・伊勢丹、９月１日から銀座・伊東屋で開催。